(目的の島は飛行機からもよく見えて、近づけば近づく程期待に胸を高鳴らせた。知り合いは皆無に等しいこの船の中、落ち着きなくうろうろと歩き回りながら、到着すれば小柄なスーツケースを片手に島へと降り立った。そうすれば思いがけず島民からの歓迎会が開かれていると分かり、濡羽色の双眸を煌めかせた。ツアーに参加した目的はエイブルシスターズの仕事見学が主だけれど、島での生活も、街育ちのハリィにとっては憧れそのもの。ガラガラとスーツケースを引っ張りながら会場内をゆっくり歩く。フリルが施された白いワンピースの裾をはためかせながら、興味が惹かれたのはとある屋台。近づいていけばそれがハリィ好物のりんご飴だと分かった。じいと見上げながら見詰めれば、ぴょこぴょこと目の前で跳ねる。)りんごあめっひとつくださいなっ(低身長ゆえ、屋台はハリィにとって少し高かった。懸命に店主へアピールをするも、未だ存在には気づかれていないようだ。)