(案内所前のおっきなクリスマスツリーが、まるでひと夜のゆめみたいに消えてしまってからのことである。これを後回しにしたのは、流星群に見とれていたっていうのもあるし、かのひとの音色にうっとりしていたっていうのもあるし、それに、結局はただの気まぐれの行動で、それでいて、どこかに祈りみたいなのがあったからかもしれない。スコップ片手にとてとてキャンプ場に現れたむすめは、確かな足取りのようで、視線なにかを忙しなく探しているふう。きょろきょろと、足元やずっと遠くの地面を見渡していた。)ものがどこかへ飛んでないといいのだけれど…。(なんせ回収予定日から数日経ってしまったものだから、いまだに元の場所にあるかは少し自信がない。胸のなかの心配をくみとって、しっぽもへにゃり。でもでも、とすぐさましっぽが違う揺れかたをしてみせる。――さて、足を進めるうちに元々ブツを置いていた場所が見えてこよう。妙に軽い……ほとんどからっぽの箱と、赤帽子の配達おじいさんを宛名にした封とうの真下には、おっきめに掘った落とし穴が控えている。果たしてそこを見つけるのが先か、見えた影に危ないと声をかけるのが先か、それとも違う方向から誰かが現れるのが先か。)