(頭にはキャップ、肩に乗せるは釣り竿、そしてもう一方にはクーラーボックスを提げ、ほくほく顔で島を闊歩する少年は案内所へと歩みを進めていた。来たる釣り大会に向けて大漁スポットの探索と練習も兼ねて、朝から浜辺へ行っては魚を釣り、川辺へ行っては魚を釣り、太陽が真上へ昇る頃には持参したクーラーボックスから飛び出さんばかりの釣果となっていて。一人では食べきれない量にどうしたものかと考えを巡らせた結果、ご挨拶と歓迎会のお礼も兼ねてたぬきちたちへお裾分けしようと閃いたのだった。)こんにちは〜!たぬきちさんいますか〜?(カランコロンとベルを鳴らし案内所へ顔を出せば、たぬきちもしずえも外出しているのか中はもぬけの殻。さすがに魚を生のまま置いていくわけにもいかずすごすごと出てきたのはいいけれど、さてどうしたものか。喜んでくれるかと期待して意気揚々と来てしまった手前、 ますます肩に重みを感じて、しょんぼりと物理的に肩を落とした。せめて誰かにお裾分けしたいな、その一心で案内前広場のベンチに腰掛けていると、)あ!あの〜!おさかな、食べませんか?(通りがかった人に下手なナンパ文句でも投げかけてみよう。)