(きらきら、きら。真っ青な空から降り注ぐ澄んだ陽射しが、目覚めたばかりの冬の町を輝かせている。時刻は朝8時を回ったところ。仕立て屋『エイブルシスターズ』の開店時間までにはまだすこしの間があるけれど、店員ティティーの仕事は既に始まっていた。)ふんふ~ん♪ 昨日は楽しかったな~、いっぱい美味しいもの食べられたし、お店の宣伝も出来たし。(きゅっきゅっ。リズミカルに手を動かしてショーウィンドウの硝子を布で磨いていく。こうして開店前、店のショーウィンドウをぴかぴかにするのが、ティティーの毎朝の習慣だ。今日も鼻歌混じりに手を動かしつつ、思い出すのは昨日の歓迎会のこと。いくつもの料理並ぶ屋台に、盛大なキャンプファイヤー。それから初めて出会うひとたち。賑やかなひとときに心は弾み、一晩経った今も楽しさの余韻が島中に漂っているかのような。)ふふっ。お客さん、たくさん来てくれるといいな。──あっ、おはよーございます!(にぎわいを夢見る最中、ふっと視界に見つけた人影。硝子磨きの手を止めて、相手に朝一番のご挨拶を。弾む声音と一緒に尻尾がふわりと揺れた。)もうすこしでお店が開くから、よかったら見ていかない? 今日は新作のお洋服があるの!