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ジュオ
2020/12/16 (Wed) 16:20 [ 60 ]
ジュオ
2020/12/16 (Wed) 16:20 [ 60 ]
……あなやぁ。(なんて、さして深刻そうでもない驚きがもれたのは、おそらく博物館とカフェの間ぐらいのところだった。とくべつ大きくもなければ、消え入りそうなほど小さくもないただのひとり言。冬の昼下がり、ジュオは今日もいつものようにはたらいていた。つまり、穴を掘っていたということだ。)すこし、掘りすぎちゃったわねぇ…。(これもまた反省の色を欠いているのは、夢中になっていた自分を責める気など、微塵もないからだろう。足もとから深さを見あげたらなら、緑いろの頭がゆるやかに動く。離れたところから見たらおそらく、地面から顔半分ほどが出ている状態だ。地面からひょっこり顔を出すむすめがどう映るかはさておき、ジュオはのんびりと木々を仰いだ。木もれ日を瞳に取りこみながら小休憩。この辺りを通るだれかの気配を感じたのなら、穴からのんびり手を振ってみたりして。穴……作業場のあたりには、どっさりたっぷりの木の実や、ちいさなお山になった土があるだろう。)
ジノヴィー
2020/12/16 (Wed) 21:55 [ 63 ]
ジノヴィー
2020/12/16 (Wed) 21:55 [ 63 ]
(折り畳んだ翼が冷えた風に煽られるのを感じながら青年は往く。何かしらインスピレーションを得ようと博物館に赴いたその足取りは僅かに軽やかさもあろうか。展示物が変わらなかろうと訪れる度に何時間も過ごすのはいつもの事で、今日も今日とてそんなところ。長く無心の内に過ごしていた意識が解放されたのもあってか、腹の虫が珍しく存在を主張している。であらばカフェにでも世話になろうかと歩み進めた、その進行方向。)…………あれ。(往路では見かけた覚えのない積み上げられた木の実たちと、大穴。から、覗く緑色。それだけで島に住まう青年は察しが付く。小さく零した声を拾われたか否か、その穴から今度は腕が一本にょろりと伸びて此方に振ってくるではないか。)やっぱジュオちゃんだ。これはまた……結構掘ったなぁ。何の穴?これ。(穴の縁に屈みこんだ青年はその内を覗く。現状では手を差し伸べる気も別段見受けられないのは、交わるであろうその瞳に困惑や悔恨などの色も見られないからだ。)
ジュオ
2020/12/18 (Fri) 07:21 [ 73 ]
ジュオ
2020/12/18 (Fri) 07:21 [ 73 ]
(緑のもぐら、もとい、ジュオの前頭部がただしく足音と向きあった。誰かと考えるよりも先に、地面から見あげた瞳が答えを知る。あなやぁ、ともれた声にはやっぱり危機も困惑も混ざっていない。凛々しい目つきに怯えるには、このシチュエーションは日常風景すぎていた。)どなたかと思ったら、ジノヴィーさんだったのね。こんにちは。……気がついたら、掘りすぎちゃってたみたい。ちょっとだけ。元は80cmぐらいを予定していたのだけど。(のん気に話をつづけるぐらいなので、穴から振っていた手が救難信号でないことは確かだった。ちょっと、というには大幅に掘りすぎた疑惑もあるが、友人に救いの手を催促する様子もない。)これはねぇ……頼まれて…っと。(すっと背伸びをしたかと思えば、縁に手をかけてしっぽも使いながら難なく穴からの脱出を成功させる。グレーのつなぎ姿があらわれて、穴を覗いてくれていた彼の隣に腰をおろした。)近所のおじいさんに頼まれてね。土の中にきのみを保存しておきたいんですって。これがいちばん、おいしさが長持ちするらしいの。こだわりってやつかしら。(でもねぇ、と穴におろした足がぷらん。膝のあたりで顔を支えるように肘を置いていたジュオは、すこし残念がるふうである。)掘りすぎちゃったから、すこし埋めなくちゃ。もったいないけれど……。ジノヴィーさんはなにをしていたの? …、行きだった?帰りだった?(おおよそカフェの方角を見てから、博物館の方へと頭が動く。それからまた、ゆるりとワシの画家さんへむらさきの瞳を向けた。)
ジノヴィー
2020/12/20 (Sun) 03:09 [ 79 ]
ジノヴィー
2020/12/20 (Sun) 03:09 [ 79 ]
(人が立っていられるほどの大穴がぽっかりと口を開けているのもまた、日常風景の一端だ。のんびりとした声に、これまたのんびりとした調子で頭上から手を振って見せた。)どーも、頭上から失礼するよ。……80cm……は、随分余裕で超えてそうだな。ジュオちゃんひとり分近く行ってるし。ジュオちゃんは集中すると周り見えなくなっちゃうなぁ。(何とも自分の事を棚に上げた言葉であるが、素知らぬ顔で言ってのける青年の自覚はどうにも伴わない。物言いのわりには呆れた風な色味は纏わず、寧ろ近しい言葉を選ぶならば感嘆といっても差し支えない。此方が手を差し伸べるまでもなく、軽やかに自身の身ひとつで脱出を果たした事まで含めて、だ。一部始終を本能がまま導かれる如く視線で追って、最後に至る自身の傍ら、屈み込んだ体勢から同じく腰を下ろすつもりで。)へぇー……俺だったらすぐ忘れそうだなぁ。何処埋めたとか、どんくらい掘ったかとか。下手したら一生陽の目見ることなくなっちゃうな。(穴の下、積み上げられた木の実と土、次いで隣に座る彼女。ぐるりと眼差しの追う先を一周させて、やがてまあるい瞳とかち合ったならば青年は逸らす事なく、冴えた青色をはたと瞬かせる。)俺は、……どっちとも言えるかな?博物館帰り、兼、カフェ行き。来た時には無かった穴があったからさ、あージュオちゃんだなって。手伝おっか?ジュオちゃんの仕事ぶり眺める事ってなんだかんだ無かったし。(互いに特殊な仕事柄、感興が湧くのは当然ともいえよう。)
ジュオ
2020/12/22 (Tue) 02:54 [ 87 ]
ジュオ
2020/12/22 (Tue) 02:54 [ 87 ]
(穴のなかで感じるのと、地上から眺めるのとでは、“掘りすぎた”の感覚がすこし違うようだった。ジュオで栓をしていた穴ぼこは、土の底がもっと深いところにあるような。ぽっかり空いたそこに代わりにはいったのは感嘆とも呼べるものだったからか、無意識にしっぽがゆらりと波打つ。力みを必要としない日常の一幕というやつだ。)あら。じゃあ、一度ためしに、なにか埋めてみる? うぅんと、そうねえ、タイムカプセルとでもいうのかしら。…忘れちゃうかもしれないから、生もの以外で。なんてね。(かるい口ぶりで続けていたが、最後はからかい損ねたような、ひとりでに先行した笑いでくちびるが緩んでいた。ある冬の清々しい空のような双眸から、予想の答えあわせを聞く。今度は、博物館やカフェの言葉に首が動くことはなかった。なるほどねえ、と相づちを打ちながら空を眺めるみたいに瞳のいろを見ている。)博物館でなにかいい出会いはあった? わたしはあんまり、芸術的感覚とかがわからないから、こういう聞き方でただしいのか自信ないのだけれど。(たとえば、ジュオはものを埋めた場所を覚えているけれど、そういう青いろを生みだす色の組み合わせは知らない。ゆえに、むすめはむすめで彼のことや仕事へことあるごとに感心をいだいていた。提案にまたたいて、地面と彼のからだが接地している部分を見やる。)一応、汚れるかも……って忠告するのは、もう遅いかもしれないわね。せっかく申し出てくださったんだから、お願いしちゃおうかしら。ふふ。穴をすこし埋める前に、入ってみる?(穴から足をひょいと抜くと、近くに転がっていたスコップを手に取って立ち上がった。むろん、誰もが穴に入りたがるとは思っていないので、強要するつもりのない冗談にちかい声のトーン。お断り、と判じたならスコップを差しだして、土の山へ視線を向けるのだろう。)
ジノヴィー
2020/12/23 (Wed) 22:12 [ 97 ]
ジノヴィー
2020/12/23 (Wed) 22:12 [ 97 ]
ためしに?……あー、タイムカプセル。それは楽しそうかもな。今島に来てる、ツアー参加者のひとたちにも一緒に埋めてもらってさ。そしたら掘り返すために、また島に来てもらう理由にもなるもんな。ジュオちゃんが埋めるなら、何にする?(彼女の言に端を発してふつりと湧いた夢想に蓋をしてしまうのは惜しく、冗談めかした口吻の続きを勝手に引き継いでしまおう。もののついでのようではあるが、彼女の仕事ぶりに触れる機会にもなり、ちょっとしたイベントのようにもなるであろうそれは、興味をくすぐられるには十二分。此方を見遣る視線を受けるままに、大鷲の方も花の彩をひとしずく落としたようなその瞳へと頷いていた。)ジュオちゃんが何かに綺麗とか、可愛いとか、そう思うのと大差無いと思うなぁ。美術品とか見てると感性や視点とか、技術面に目が行くってくらいで。数時間くらい居座って満足してきたとこ。ジュオちゃんはあんま博物館いかない?(ぼやっとした物言いだが、それこそが当人の持つ感性と呼ぶ他ないか。して、返す如き新たな提案。ひとたび瞬いて立ち上がるその所作を目で追っていたけれど、おもむろにひょいと飛び降りてしまおう。大鷲と彼女の上背の差異は、実に40cm近く。彼女の顔が僅かに覗くほどの穴は青年にとっては余裕で肩が出るくらいの位置取りで、縁に肘を置く体勢で視線を持ち上げる。)……俺が入るとあんま深く見えないなぁ。あ、汚れんのは気にしないよ。折角繕ってもらった服だから、きぬよちゃんとかには怒られちゃうかもしれないけどね。(平然と言い放つ青年は些事を気に留めない。怒られたところできっと告げる言葉は“ごめんね”のひとつ。今はただ、眼前の感興に身を委ねていたかった。)
ジュオ〆
2020/12/25 (Fri) 23:33 [ 104 ]
ジュオ〆
2020/12/25 (Fri) 23:33 [ 104 ]
ツアーのひとたちも…、それはすてきなアイデアね。ひとが増えたぶん、おおきな穴を掘らせてもらえそう。……わたしなら、うぅん…写真やてがみを入れるかしら。でも、そうねえ。もしわたしだけで掘っても、みんなで掘ることになっても、タイムカプセルの穴を掘ったときの思い出がそこに宿るのかもしれないわ。わたしったら、ものを埋めなくてもいいのかも。(もしものことばで夢見る未来をつなげてみたら、いがいと気持ちをともなった音がぽろりとあふれる。タイムカプセルとそのための穴は夢とロマンを感じるもの。それに心うごかされるまま、あなたは何をうめる?と流れるように問いかけるのは自然のことだった。)そういうものなのかしら。芸術家さんの目やアンテナはわたしと全然違ってて、すっごく特別なものかと思っていたわ。……博物館は化石の発掘のお手伝いとかで関わる機会がおおいわねえ。美術品をちゃんと見に行ったこと、ないかもしれない。(やけにはっきり言い切るので、この“かもしれない”はほとんど、“ない”と言っているも同然だった。それを誤魔化すかのようにしっぽがふるふると揺れる。して、スコップを手にしたまま彼の決断を見守ると、今度はジュオが穴のふちに屈みこむ番となった。コンパクトにたたんだからだが、穴からはみでたお手伝い画家さんと並ぶ。)あら、なんだかとっても新鮮な眺めね。ジノヴィーさんを見下ろしたのって、はじめてかも。ふふ、居心地はいかが? 怒られちゃったら……きれいにお洗濯するのがいちばんかしら。はたらいた証ってわたしには映るけれどね。(冬の日ざしの代わりに降ったむらさきのまなざしは、みずからの腕へと向きを変えた。そこにも、膝にもおしりにも、グレーのつなぎをキャンバスにしたみたいに土のいろがのっていよう。それに顔をしかめることはなく、折りたたんだからだをまっすぐに伸ばすと、土の山のてっぺんをスコップで崩した。)ひとりで出られる? …あ。穴の居心地がよかったら、今度ジノヴィーさんの落とし穴をほらせてね。(なぁんて、と続きそうな続かなさそうな曖昧な声色でしっぽが波打つ。そうやってスコップを代わる代わる持ちながら、いつもより少しゆっくり穴を埋めながら、きのみと一緒に思い出も穴にはいっていくのかも。手伝ってくれたお礼に、と彼が向かう予定だったカフェに誘ったこともきっと、きのみあなを掘りかえすときに思い出すのだとおもう。)
ジノヴィー〆
2020/12/27 (Sun) 20:15 [ 112 ]
ジノヴィー〆
2020/12/27 (Sun) 20:15 [ 112 ]
(男は自分の絵を埋めるだろう。この地の風景を未来に届けてみたい。けれど彼女の零す声音に平素と異なる柔さを感じ、暫し瞬いたのち「……じゃ、俺もジュオちゃんを手伝ったって思い出で」なんてはぐらかしてしまおう。)化石も良いよな、途方も無くて不思議な気持ちになる。あん中にジュオちゃんが掘り出した化石があるかもなのか。ま、てんで興味ないってわけじゃないなら、自分のお手伝いの成果見るついでに美術品も見てごらんよ。俺の言葉思い出しながら。(私心をちゃっかり差し挟む大鷲は、絵画の題材以外にはひとところに拘らない。博物館の多岐に渡る展示の全てが関心の矛先で、自身の興味に素直なのだ。だからこそ今だって、こうして深い穴から彼女を見上げているのかも。)オレは見下ろされるの自体レアだな……こん中で座りこんだら着想とかは捗りそうだなぁとは思ったよ。埋めないでね。……汚れも勲章って?ま、ジュオちゃんは特にそうだよな。君が土に汚れてるのを見て、汚いなんて思った事ないし。(現今其処彼処に付着する土色は、よもや彼女らしいとすら思える。自分が彼女を描く時にもその色を乗せるだろう。ただ見上げるばかりだった青い瞳が、ぐっと持ち上がる。)へーき。仮に出れないってなってもジュオちゃんの手借りると引きずり込みそうだから自力で何とかします。……落とす前提はちょっと勘弁してほしいな。自分で入って自分で出れる程度でお願いします。(拒否とも肯定とも付かぬ口振りで、軽く地を蹴って這いあがった大鷲は彼女の見様見真似で手伝いを始める筈。ミーアキャットと鷲、地中と大空。交わらないかもしれない縁だって、この島ではこうして何でもないように隣り合っている。幾許かの後、すぐ傍のカフェでの席だって、きっとそうだ。)
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